巳年じゃないけど Python やろうぜ(その 1)
どうもすっかりとご無沙汰しておりました。
忙しかったり体調崩したり、なかなかブログに本腰が入れられない状態がずっと続いていましたが、暇になったのでまた再開しようかと思います。今後も相変わらず不定期ですが、なにとぞよろしくお願いいたします。
きっかけ
昨年末に「来年こそ書初めするぜ !」と意気込み、さてどの言語にしようかと考えていたのですが、以前から Django に興味があったので「この流れで行くと Python で書初めするのがええかのぅ」ということになりまして、結局 2 日遅れの 1 月 4 日にめでたく Python + Django にて書初めと相成りました。
それから 1 週間ちょい、ほぼ Python をメインにコードを書いておりました。今回はその奮闘記を題材にいたしとうございます。
まずは Python をインストールしなきゃ始まらない
まぁまずは肝心の Python をインストールしなきゃ始まらんわけです。
Django、その前に
Django の前に、以前から興味のあった各種パッケージをインストールしていきます。
NumPy (NumPy + MKL)
Python で数値計算するやつ。何か n 次元配列とか使えるみたい。Windows にインストールするときはちょい特殊で、下記のサイトから自分にあった whl ファイルを持ってきて pip install
しないとダメっぽい。
SciPy library
上記の NumPy もそうなのだが、SciPy プロジェクトのコアとなるパッケージの一つで、こいつのことを単に SciPy という人もいる。これも Windows では上記の配布サイトからやはり whl ファイルを持ってきてインストールする。先に NumPy + MKL を入れろと書いてあるので、NumPy + MKL → SciPy の順にインストール。
matplotlib
MATLAB っぽい感じでグラフとか表示できるらしい。Python 3.5 までは単に 2.0.0 がリリースされて、Python 3.6 向けのパッケージも PyPI に置かれるようになりました。なので普通に pip install matplotlib
で行けたのだが、Python 3.6 用のは PyPI に転がってないのでやっぱり上記の非公式バイナリ配布サイトから持ってこないといけない。pip install matplotlib
で行けます。
ちなみに pip install
すると依存するパッケージがゴロゴロと入ってくるが、それは pip が勝手に入れてくれるので問題なし。
SymPy
シンボリックに数式計算をしてくれるライブラリ。これも SciPy プロジェクトの一つ。これは普通に pip install sympy
で大丈夫。
Apache Maven を使ってみよう(その 3)
Maven のプラグインについて
Maven のプラグインは主に以下のサイトで用意されている。
Maven – Available Plugins
Mojo – MojoHaus Maven Plugins Project
Exec Maven Plugin
前回の課題になっていた、Maven のビルドの実行の際に main
を実行するためには、Mojo で用意されている Exec Maven Plugin を利用する。
pom.xml
を修正する。
<project xmlns="http://maven.apache.org/POM/4.0.0" xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" xsi:schemaLocation="http://maven.apache.org/POM/4.0.0 http://maven.apache.org/maven-v4_0_0.xsd"> <modelVersion>4.0.0</modelVersion> <groupId>jp.mydns.akanekodou</groupId> <artifactId>MavenSample</artifactId> <packaging>jar</packaging> <version>1.0-SNAPSHOT</version> <name>MavenSample</name> <url>http://maven.apache.org</url> <properties> <project.build.sourceEncoding>UTF-8</project.build.sourceEncoding> <maven.compiler.source>1.8</maven.compiler.source> <maven.compiler.target>1.8</maven.compiler.target> </properties> <build> <plugins> <plugin> <groupId>org.codehaus.mojo</groupId> <artifactId>exec-maven-plugin</artifactId> <version>1.4.0</version> <configuration> <mainClass>jp.mydns.akanekodou.App</mainClass> </configuration> <executions> <execution> <phase>test</phase> <goals> <goal>java</goal> </goals> </execution> </executions> </plugin> </plugins> </build> <dependencies> <dependency> <groupId>junit</groupId> <artifactId>junit</artifactId> <version>4.12</version> <scope>test</scope> </dependency> </dependencies> </project>
build
要素が新たに追加され、その直下に plugins
要素がある。Maven のプラグインにはビルドプラグインとレポーティングプラグインがあり、Exec Maven Plugin はビルドプラグインなので build
要素に追加することになる。
今回は mvn test
を実行したら自動的に mvn test exec:java
が実行されるように設定している。
mvn test
を実行すると…
------------------------------------------------------- T E S T S ------------------------------------------------------- Running jp.mydns.akanekodou.AppTest Tests run: 1, Failures: 0, Errors: 0, Skipped: 0, Time elapsed: 0.148 sec Results : Tests run: 1, Failures: 0, Errors: 0, Skipped: 0 [INFO] [INFO] --- exec-maven-plugin:1.4.0:java (default) @ MavenSample --- Hello World! [INFO] ------------------------------------------------------------------------ [INFO] BUILD SUCCESS [INFO] ------------------------------------------------------------------------ [INFO] Total time: 4.490 s [INFO] Finished at: 2015-08-27T20:57:56+09:00 [INFO] Final Memory: 11M/212M [INFO] ------------------------------------------------------------------------
確かに実行されている。
Apache Maven を使ってみよう(その 2)
Maven のビルドライフサイクル
Maven のビルドライフサイクルには多数のゴールが設定されている。ちなみにデフォルトのライフサイクルには何と
validate
,initialize
,generate-sources
,process-sources
,generate-resources
,process-resources
,compile
,process-classes
,generate-test-sources
,process-test-sources
,generate-test-resources
,process-test-resources
,test-compile
,process-test-classes
,test
,prepare-package
,package
,pre-integration-test
,integration-test
,post-integration-test
,verify
,install
,deploy
こんなにゴールが設定されている。
しかし、実際にはこれを全部使うことはない。以下、主だったものを説明する。
Apache Maven を使ってみよう(その 1)
当ブログではこれまで Apache Maven (以下、Maven) の話題は極力避けてきたが、昨今の開発事情を鑑みるに、最早 Maven なしでは開発がままならない状況になりつつある。Spring MVC では標準のビルドツールとして採用されるなど、Maven は避けては通れないものになっている。
Maven はなぜ便利なのか ?
ビルドライフサイクルの自動化
IDE を使っているとあまりピンと来ないかも知れないが、たくさんの Java のソースコードを一つ一つ手でコンパイルするのは大変な作業である。Maven でプロジェクトを管理しておけば、コマンド一つでコンパイルを含むビルドライフサイクルを全て自動化できる。
Ruby で FizzBuzz を満喫する
Scala にだいぶSAN値を削られたのでここいらで Ruby に日和ろう(苦笑)。
その 1 : Object#tap
を利用する
to_fizzbuzz = -> n { "".tap do |_| _ << "Fizz" if n % 3 == 0 _ << "Buzz" if n % 5 == 0 break n if _.empty? end } puts 1.upto(100).map(&to_fizzbuzz)
Ruby の Object#tap
はブロック内で自分自身に対して行われた破壊的変更が保証される。break
が発動するとそれらの変更を破棄して強制的に別の値を返すことが出来る。発動しなければブロック内で行われた破壊的変更を適用した自身が返ることになる。
さくっと lambda 奴を使っておくと Enumerable#map
に Proc
オブジェクトを渡す Ruby らしい書き方で処理が記述できる。
その 2 : Hash
を利用する
Scala 編で Map
を使ったやつの元ネタ。
Applicators = {3 => :Fizz, 5 => :Buzz} to_fizzbuzz = -> n { fb = Applicators.select{|_| n % _ == 0}.values.join fb.empty? ? n : fb } puts 1.upto(100).map(&to_fizzbuzz)
やってることはほぼ一緒。メソッド名が違うだけ。
その 3 : Enumerable#zip
を利用する
fizz = [nil] * 2 << :Fizz buzz = [nil] * 4 << :Buzz 1.upto(100).zip(fizz.cycle, buzz.cycle) do |n, *f| puts f.any? ? f.join : n end
ネットで見つけてきた。nil
と any
の使い方が Ruby っぽくてお気に入りである。
Scala でとことん FizzBuzz する(その 4)
最初にお詫び。前回の記事にかなり大幅な修正を加えています。再度確認をしていただけるとありがたいです。
追記 : 今回作ったソースファイル群(+ テストコード)を GitHub で公開しました。
akaneko3/FizzBuzzScala · GitHub
Scala でとことん FizzBuzz する(その 3)
さぁ、改造を続けよう。
FizzBuzz アルゴリズム再考
ちょっとひねって、次のような写像を考える。
何も書いていないところは空文字列を対応させていると考える。これを利用して、FizzBuzz のアルゴリズムを少し変更する。
- 何らかの方法で
"", "", "Fizz", "", "Buzz", "Fizz", "", "", "Fizz", "Buzz", "", "Fizz", "", "", "FizzBuzz", ...
と繰り返される列を用意する。 - 1 から順に上記の列と対応させていく(
zip
) - 上記で得られた列を順に処理していくとき、「数字と空文字列」の組み合わせのときは数字を、「数字と空でない文字列」の組み合わせのときは文字列を返すようにする。
これを Scala のトレイトを利用して抽象クラスとしてあらかじめ作っておく。
package jp.mydns.akanekodou.scala.fizzbuzz abstract class FizzBuzz { protected val fb : Stream[String] def fizzbuzz : Unit = { 1 to 100 zip fb map { case (n, "") => n case (_, s) => s } foreach println } }
Java のインターフェースと違い、Scala のトレイトにはこうした共通処理をあらかじめ実装しておくことが出来る。今回、ついでなので表示するところまでまとめて実装してみた。
2015/04/12 追記 : 今回のケースではトレイトを使う必要はありませんでした。お詫びの上、通常の抽象クラスに訂正させていただきます。
もう一つ、Scala の機能である「暗黙引数」を利用している。一見するとメソッドの引数のデフォルト値をあらかじめ与えるのと似ているが、あちらはあらかじめ引数を初期化しておかないとダメなのに対し、こちらはメソッド呼び出し時までに暗黙引数を初期化・確定させておけば良い。
Java の抽象クラスは「抽象メソッドが含まれるクラス」であるが、Scala の場合は抽象メソッドに加えて上記のような抽象フィールドを含むクラスも抽象クラスとして定義しなければならない。
2015/04/12 追記 2 : Main
に FizzBuzz 系クラスを継承させる方法が何となく行儀が悪く見えたので止めました。
その他のファイルも適宜書き換えていこう。
package jp.mydns.akanekodou.scala.fizzbuzz class FirstFizzBuzz extends FizzBuzz { def toFizzBuzz(n : Int) : String = { if (n % 3 == 0) { if (n % 5 == 0) "FizzBuzz" else "Fizz" } else if (n % 5 == 0) { "Buzz" } else { "" } } val fb = Stream.from(1).map(toFizzBuzz) }
toFizzBuzz
は最早 String
型しか返さないことが明白になった。
package jp.mydns.akanekodou.scala import jp.mydns.akanekodou.scala.fizzbuzz._ object Main extends App { (new FirstFizzBuzz).fizzbuzz }
Main.scala
がだいぶすっきりした。
いよいよ本格的に改造していくぞ !